こんにちは!鹿児島でランニング・マラソンサークルをしている”かごしまSONIC”代表の宮原です。
本日は、マラソン選手や駅伝選手の間で実践されている「カーボローディング」について詳しく解説します。
持久力やパフォーマンスの向上を目指すための効果的な食事方法であるカーボローディングについて、具体的な実践方法までをご紹介しますので、ぜひご参考下さい。
【マラソン前の食事】カーボローディングとは何か?
カーボローディングとは、マラソン選手や駅伝選手などの持久系のアスリートが実践している特別な食事方法です。
カーボローディングの目的は、試合中にエネルギー切れを起こさずに長時間のパフォーマンスを発揮することです。
体内に十分なグリコーゲンを貯蔵することで、筋肉や肝臓に取り出されたグリコーゲンが血液中のグルコースとなり、エネルギーとして利用されます。
カーボローディングは、試合前の数日間に炭水化物を重点的に摂取することで行われます。
具体的には、ご飯やパスタ、パンなどに多く含まれる炭水化物の摂取量を増やすことが目標とされています。
これにより、マラソンの時などバテずに最後まで走れるようになります。
マラソン前にカーボローディングをするメリット4選

カーボローディングを実践するメリットを4つご紹介します。
持久力が向上する
まず一つ目のメリットは、持久力が向上することです。
カーボローディングは、グリコーゲンの貯蔵量を増やすことにより、長時間のスポーツや競技においてエネルギーを持続的に供給する効果があります。
これにより、筋肉の疲労を遅らせることができ、持久力が向上します。
ランニングパフォーマンスが向上する
グリコーゲンは筋肉のパフォーマンスに重要な役割を果たします。
カーボローディングによってグリコーゲンの貯蔵量を増やすことで、筋力や筋持久力の向上が期待できます。
これにより、スポーツ競技においてより高いパフォーマンスを発揮することができます。
エネルギー補給の効率化ができる
カーボローディングを行うことで、競技中にエネルギー切れになるリスクを減らすことができます。
グリコーゲンの貯蔵量が増えるため、長時間の運動においても十分なエネルギーを供給することができます。
これにより、疲労の蓄積を遅らせ、持久力を維持することができます。
体重が増加する
カーボローディングは体内のグリコーゲン量を増やすため、体重が増加することがあります。
体重増加により体が「重たく」感じることもありますが、これはグリコーゲンと水分の貯蔵によるものであり、パフォーマンスには直接的な影響はありません。
カーボローディングは大会やレースに向けて行うことが一般的で、大会やレース前にカーボローディングを行うことで、パフォーマンスを最大限に引き出す準備をすることができます。
カーボローディングはスポーツ選手やアスリートだけでなく、一般の方にも持久力向上やパフォーマンス向上のための有効な方法です。
カーボローディングに適した食事の方法

カーボローディングを効果的に行うために適した食事の方法をご紹介します。
カーボローディングでは炭水化物を摂取しよう
カーボローディングでは、炭水化物の摂取が非常に重要です。
炭水化物はエネルギー源となるため、十分な量を摂取することでグリコーゲンの貯蔵が促進されます。適切な炭水化物の選択がカーボローディングの成功につながります。
カーボローディングに適した炭水化物としては、パスタやごはん、パン、じゃがいもなどがあります。
おすすめの理由
- パスタ
→グルコースの豊富なデンプンを含むパスタは、古典的なカーボローディングの主食とされています。 - ご飯
→デンプンの豊富なご飯も、カーボローディングに適した食材です。 - パン
→エネルギー源としてのグルコースを含むパンも、カーボローディングに適しています。 - ジャガイモ
→ジャガイモもデンプンを豊富に含んでおり、カーボローディングの一部として摂取されることがあります。
グルコースとフルクトースのバランスを考える
カーボローディングでは、グルコースとフルクトースのバランスも考慮する必要があります。
グルコースは筋肉のエネルギー源として利用されますが、フルクトースは肝臓で代謝されてグリコーゲンになるだけで、筋肉中への貯蓄には効果がありません。
そのため、カーボローディング期間中には、グルコースを豊富に含む食品を重点的に摂取することが重要です。
一方で、フルクトースを多く含むお菓子や果物はカーボローディングの目的にはあまり適していません。
そのため、カーボローディングはお菓子ではなくご飯系で取り組みましょう!
食事のバランスと量の調整
カーボローディング中の食事は、単に炭水化物を多く摂取するだけではなく、バランスの良い食事を心掛ける必要があります。
高糖質食を摂取する際には、他の栄養素も適切にバランスを取ることが重要です。
また、食事の量も個人によって異なりますが、適度な量を摂取することが重要です。過剰な摂取は体重増加や消化の負担を引き起こす恐れがあります。
自身の体調や目標に合わせて食事量を調整しましょう。
摂取タイミングと準備期間
カーボローディングにおいては、摂取タイミングや準備期間も重要です。
特に競技前日や当日の食事に関しては、適切なタイミングと内容を考慮する必要があります。
一般的には、競技前日に炭水化物を多く摂取し、グリコーゲンの貯蔵を最大限にすることが推奨されています。
また、競技当日の朝食は軽めにすることで、消化の負担を軽減することができます。
カーボローディングを行う際には、これらのポイントを意識しながら食事を計画しましょう。個人の体調や目標に合わせた食事プランを作成することで、カーボローディングの効果を最大限に引き出すことができます。
カーボローディングを行うデメリット

カーボローディングはメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、デメリットを2つご紹介します。
1.体が重く感じる
カーボローディングをすると、通常のグリコーゲン量よりも多く増やすため、体重が増加します。
グリコーゲンは1g当たり2.6〜2.7gの水分と一緒に肝臓や筋肉内に貯蔵されるため、カーボローディングをすると体重が1.0〜1.5㎏増加することがあります。
この増加による体の重さは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
2.食べ過ぎになる可能性がある
カーボローディングのための食事では、炭水化物の割合が通常のPFCバランスよりも高くなります。
しかし、単に炭水化物をたくさん摂るだけではなく、その日の摂取カロリーのバランスを合わせないと、余分なカロリーが体脂肪として蓄えられてしまいます。
食事のバランスや摂取量の調整が必要であり、レース前の緊張感も相まって、体の消化に追い付かないことも起こる可能性があります。
特に、レース当日の朝食時まで未消化のままだと、走行中の腹痛の原因になる可能性があります。
これらのデメリットは個人によって異なる場合があります。
カーボローディングが自分に適しているかどうか、そしてこれらの課題をクリアできるかどうかを確認するためにも、本命レース前のサブレースなどで実際に試してみることが重要です。
まとめ

カーボローディングは、長時間のスポーツや競技において持久力を高め、パフォーマンスの向上に大きく貢献する効果的な方法です。
しかし、その実践には個人差があり、適切な食事バランスの調整や消化の負担への配慮が必要となります。
カーボローディングを行う際は、自身の体調や目標に合わせて、慎重に計画を立てることが重要です。
事前に試行錯誤を重ね、最適な方法を見つけることで、スムーズな実践と競技パフォーマンスの最大化につながるでしょう。