こんにちは!鹿児島県のマラソンサークル”かごしまSONIC”代表の宮原(kagoshima_sonic)です。
マラソンを走るうえで気になるのはペース配分です。これは初心者からエリートランナーまでどのレベルのランナーであっても意識して走っているはずです。
マラソンを走るときのペース配分の例としては「イーブンペース」「ポジティブスプリット」「ネガティブスプリット」の3種類があります。
これらのペース配分はそれぞれ異なります。
- イーブンペース
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]一定のペースを維持しながら走る走り方
- ポジティブスプリット
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]前半にスピードを上げて後半に連れスピードが落ちていく走り方
- ネガティブスプリット
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]前半にスピードを抑えて後半に連れてスピードが上がっていく走り方
ざっと説明すると上記のようなペース配分になります。
3つのペース配分と言いましたがイーブンペースでマラソンを走る人はそんなにいません。なぜなら、イーブンペースで走るくらいなら後半全力で走ってペースを上げるネガティブスプリットになったりスタミナ不足でポジティブスプリットになったりするからです。
また、マラソンでイーブンペースで完走を出来る人は後半スピードを上げるネガティブスプリットになる傾向があります。
この3つのペース配分の中で今回紹介していくのはネガティブスプリットについてです。ネガティブというとマイナスイメージを抱くワードに聞こえますがマラソンにおいてのネガティブはプラスイメージなことが多いです。
「ネガティブで行こう」などと言う言葉をランナー同士で言うことがありますがこれは「後半スピード上げていこう」という意味で決して悪い意味ではありません。
ネガティブスプリットは市民ランナーにとって目指すべきペース配分なのです。
そこで今回は、ネガティブスプリットが何故いいのかなどメリットを5つ紹介していきます。
市民ランナーのほとんどはポジティブスプリットで走っています。後半失速する人が多いのはその証拠です。
マラソンを”ネガティブスプリット”で走る5つのメリット
レース前半で焦らない
ネガティブスプリットだとレース前半で前に進めなくても焦ることがありません。
マラソンのスタート直後は人だかりがすごくてなかなか前に進むことが出来ません。速いランナーだったらすぐに人混みを抜けることが出来ますが、真ん中スタート以降のランナーは30分くらい嫌でも周りのペースに合わせて走らなければいけない時間があります。
もしも、前半飛ばしていこうという考えでペース配分を考えていたなら序盤からペースを乱されてしまうことになります。
ですが初めから前半はペースを落として後半スピード上げればいいやという気持ちでレースに挑んでいれば人混みのタイムロスで焦ることはなくなります。
ポジティブスプリットをするつもりで前半にタイムロスをしてしまったからと言って人混みを抜けてから中途半端にペースを上げながら走っていると途中でバテて走れなくなってしまう可能性が大なので注意をしましょう。
マラソンの参加者は自分だけではないので無理な追い抜きで転倒することも防げます。
楽にマラソンを完走できる
ネガティブスプリットで走ると楽にマラソンを完走することが出来ます。
「走る距離は変わらないから楽に走れるわけない!」と思われる方もいると思います。しかし、ペース配分だけでマラソンは楽になるのです。
恐らく市民ランナーの誰しもがマラソンで地獄を見た経験があるはずです。
それはきっと足が動かなくなったときでしょう。
なぜ足が動かなくなるかというと筋肉やスタミナを使い果たすためです。筋肉やスタミナは速いスピードで走れば走るほど消耗が激しくなります。
1kmを全力疾走するのと1kmをジョギングのとでは疲労度が違いますよね?
マラソンで足が動かなくなる人は前半にスピードを出し過ぎて42キロを走りきる前に疲労が限界値まで来てしまいます。なのであえて前半にスピードを落として後半にスピードを上げて限界値を42kmギリギリにするのです。
そうすることで、マラソンで足が動かなくて地獄を見るということがなくなります。
ちなみに、マラソン後半で足が動かなくなる人はほとんどポジティブスプリットで走ってる場合が多いです。
良い記録を狙いやすい
速いランナーほどネガティブスプリットでマラソンを走っています。
なぜなら、ネガティブスプリットがペース配分的に良い記録を狙うことに適しているからです。
マラソンでタイムが遅くなる原因は後半のペースダウンです。なので記録を狙う場合だとペースダウンにだけは絶対ならないようにしなければなりません。
ポジティブスプリットで走ると前半に足を使い果たして後半大幅なペースダウンをしてしまう可能性がグッと上がります。
前半はウォーミングアップ感覚で身体を温めて、温存した力を後半爆発させることで良いタイムを狙えます。
実際に、プロのマラソンランナーはネガティブスプリットで走っている人しかいません。
ごぼう抜きが出来る
ネガティブスプリットで走ると、後半にペースが上がるので他のランナーをごぼう抜きをすることが出来ます。
マラソン後半になると今まで抜いてきた人にどんどん抜き返されるという経験をした人は多いと思います。
しかしネガティブスプリットで走っていると逆の立場になることが出来るのです。ごぼう抜きを実際にやってみると自分がすごく速いランナーのように思えて爽快感があります。
また、後半にスピードを上げていると沿道の応援も集まりやすいです。沿道の応援はランナーにとって大きな力になるのでさらに頑張れます。
本来辛いはずのマラソン後半がごぼう抜きをすることによって楽しくなります。
レース後の満足度が高い
ネガティブスプリットをするとレースが終わってからの満足度が非常に高くなります。
これは、自分の想定していたレース展開と自分の走りが合致するためです。
ポジティブスプリットで走るとどうしても後半にペースダウンをしてしまって思い描いていたようなレースが出来ないで完走してしまうことが多々あります。
それを僕ら市民ランナーは『ダメレース』なんて言ったりします。たとえ、自己ベストで走れていたとしてもレース展開に満足していなければダメレースだと自分の中で考えてしまうことがあります。
本来喜ぶべき記録更新で喜べないのはなんとも複雑な心境で、「もっと粘れたんじゃないのか..」「練習不足だったな..」などと記録更新をしているのにかかわらず帰り道に反省することもあります。
ネガティブスプリットだと、比較的全力で走ってゴールをすることが出来るのでたとえ自己ベストを狙えなかったとしても「全力で走ったんだからしょうがない..」とレース自体には満足します。
ネガティブスプリットですがレースが終わったらポジティブになるのがネガティブスプリットのメリットです。
【まとめ】マラソンを”ネガティブスプリット”で走るメリット
今回は、ネガティブスプリットのメリットについて話していきました。
みなさんもネガティブスプリットを目指して大会に挑んでみましょう。
ネガティブスプリットで走るためには、持久力が重要になってきます。30km走など走りこむ系の練習をしていたほうが成功率は高くなりますので持久力トレーニングを中心にマラソン練習をしていきましょう。
30km走については上記の記事に詳しく書いていますので合わせてご覧ください。